フレグランズトーク vol.07 上福ゆき(前編)『日本一の美女レスラーが“アンチ”をファンに変えられたワケ』

「日本一の美女レスラーが“アンチ”をファンに変えられたワケ」

「週刊FRIDAY」いわく「日本一の美女レスラー」。上福ゆきさんはプロレス団体DDTの女子部門「東京女子プロレス」に参戦するグラビアアイドル兼レスラーの“グラレスラー”。身長173cmから繰り出す必殺技は、見事な高さのドロップキック! ファッションにこだわりを持ち、着実に実力もつけ、人気を集めています。そんな上福さんの匂いに対するこだわりとは? 

――グラビアアイドルからプロレスラーとはユニークな転身ですね。

大学生のときにミス東洋大学準グランプリになって、そのまま芸能界に入りました。その後、今の事務所に移り、グラビアアイドルとして活動し始めた時、マネージャーに「この時代、可愛い子やスタイルのいい子はたくさんいる。アイドルだってグラビアをやる時代だ」と言われました。「なにかパンチのあることをやりたい」って言ったら、「知り合いがプロレスやっているんだけどどう思う?」と聞かれたんです。「よく分かんないけど、それもいいかな?」ぐらいの気持ちでした。

 

――もともと柔道や空手など、やっていたんですか?

いえ、格闘技どころかスポーツをやったことがなかったし、プロレスの知識もゼロ。それなのにある日、マネージャーに「ルノアールに来い」と言われて、行ったらDDTの社長と、えらい人と、コーチがいて、3人の前で立ったり座ったりして体型を見せて……。その後、練習の案内が来て、通い続けていたらデビューした、そんな感じなんです。

――スポーツの素地がなくプロレスラーに!! かなり大変だったのでは?

はい! 当時、24歳だったんですが、ちゃんとした仕事もせずフラフラしていたので、これはきっかけだと思ったんです。将来「あの時、本気でがんばってたな」と思える経験をしたいと。だからやると決めたら真剣にやろう、目立つようにがんばろう、そういうモチベーションに変わりました。とはいえ、練習はキツイしつらいし、体中がほんとうに痛かったです。それでも私のポリシーでお化粧もファッションもきちんとやり、キャラとしてパリピ的な感じを出していたので、練習に通い始めた頃は、先輩たちも「とんでもねぇヤツ来た!」と思っていたと思います(笑)。

 

――まったくプロレスを知らずに、先輩たちとやっていくのは大変そうですね。

練習の相手はしてもらえましたけど、目線が怖かったです! 東京女子プロレスには、真面目な選手が多いんです。ずっと空手をやってきたとか、プロレスが大好きで「○○の技をやってみたい」という動機があったりとか。当然、プロレスの知識もありますしね。私みたいに西麻布で飲み歩いたり、ファッションにも興味があるハデな「港区女子」みたいなのはいなかったんです。ファンの方の目線も怖かったです。試合の時、選手が物販をしたりチェキを撮ったりするんですが、最初の頃は「まだ辞めないの?」とかきついこと言われました。「グラドルで売れないからって腰掛けしてんじゃねぇよ」みたいな目で見られていたと思います。

 

――直接言われるのはきついですね。

私はハッピーキャラなので、何を言っても許されると思われていたのかも。でも、言われるたびに心のなかで「くやしい! 辞めろっていう人がこれだけいるなら絶対辞めない!」と反骨心がメラメラと……。今も続いているのはその方たちのおかげです(笑)。

――ブログを拝見していると思ったことをストレートに書いていますね。普段もそうなんですか?

はい。とにかく自分が得するために嘘をつくのが大嫌いですし、だいたい嘘つくほうが面倒ですから(笑)。正直なことを言って叩かれても、嘘をつくよりマシだと思っています。これは、小学校3〜4年のときの担任の先生のおかげかも。厳しい先生で、自分の考えをちゃんと話すということを教え込まれました。それ以来、嘘をつかず、思ったことははっきり言うようになりました。

 

――中学2年から高校2年までアメリカにいらしたんですよね。それも関係していますか?

父の仕事の都合で、アメリカに住んでいたんですけど、ここでもメンタルは相当鍛えられましたね。たとえば、手作りクッキーを友だちにあげると「わあ! ステキ! おいしそうね」と喜んでくれてひと口食べるけど、そのまま残りを目の前でゴミ箱に捨てられる(笑)。悪気はなくて、「ほんとうにうれしいしおいしいけど、一口で十分満足。だからいらないわ」っていうだけなんです。でも傷つきますよね。だんだん慣れて、海外で暮らしたり、文化の異なる人と付き合うと、こういうこともあるんだなって思えるようになりましたけど。

 

――プロレスには、肉体だけじゃなく精神の強さも求められますね。いまでは試合中「かみーゆ!」と会場のあちこちから声援がとぶし、東京女子プロレスのメンバーとも仲が良さそうですよね。

東京女子の仲間は、私が練習に通い続ける様子を見て「こいつはふざけているように見えて、ちゃんと考えてやってるんだ」と認めてくれるようになったのかな。ファンの方々は、デビューして1年経ったぐらいになんとなく雰囲気が変わってきたような……。その頃は、ただ試合をこなすだけでなく「もっといい選手になりたい、もっと強くなりたい」というプロレスに対しての欲が出てきていました。すると動きや発言、表情も変わるので、その様子をファンの方もキャッチしてくれたのかもしれません。

――173cmから繰り出すドロップキックはものすごい迫力です。必殺技ですね。

そう言ってくださる方が多くてうれしいんですが、あれも「ドロップキックをやってやる!」と狙ったのではなく、日々の基礎練習の動きにドロップキックが入っているんですね。前転、後転、あれやって、これやってドロップキックという流れがあるので、それをただひたすら練習していただけで。やりたい技もないしそもそも技を知らないので、できることを繰り返しやっていたらできるようになったという感じです。「オカダ・カズチカのようだ!」と言っていただいても、実はオカダ・カズチカさんも存じ上げませんでした。オリジナルの技もないし、本当にベーシックなことしかしてないんです。

 

※オカダ・カズチカ選手……新日本プロレス所属のプロレスラー。第65代IWGPヘビー級王者として12連続防衛記録を持つ。必殺技はレインメーカー。ドロップキックはその打点の高さで有名。また、イケメンであり191cmの高身長でスタイルもよく、プ女子と呼ばれるプロレス女性ファンを一気に増やしたことでも知られる。

 

――グラレスラーということで、試合中も見た目の美しさに気をつけているんでしょうか?

正直、美しく見せようというのは入場の時までしか頭にないです。対戦相手や会場によっては、緊張で入場のときも考えてないかも。リングに上がったらもう、美しく見せるなんて頭になくて必死でやってます! 美しさにこだわって変な受け身を取ったら危険ですし。ただ、メイクも毎回細かく変えたり、髪型も前髪下ろしたりあげたり、ポニーテールにしたり下ろしたままにしたりしてます。変化がないとつまらないじゃないですか。普通の女の子が「今日はどのピアスつけようかな」と思うような感覚で、手を抜かずにそこはこだわっています。エステにも行くし、美容院もネイルも月イチで通ってますよ。

 

――コスチュームもおしゃれですよね。

デビューのときから「デニムを履くレスラー」ってことで、ボトムはデニムのショーパンです。プロレスの世界に“フラッと現れたお姉さん”みたいな雰囲気を演出したいんです。トップスは自分の体型が一番キレイに見える形を考えて、デザイナーさんと相談しながら作っています。女子プロレスって、少し前のイメージはたくましいとか、怖いとか……そんな感じ? そのイメージを変えたいなと思っていて、たとえばInstagramyuki_kamifuku)におしゃれな写真をいっぱい上げています。表情も苦しい顔やキツイ顔ではなく、ケロっとした顔をアップしてるんですね。それを見て、ファッションやグラドルっていうところで「いいな」と思ってくれた人が「あれ? この人プロレスやってるの?」ってプロレスに興味を持ってくれたらと思ってます。

――試合中や練習中、どうしても汗をかくと思いますが、匂いを気にされていますか?

試合中は気にしていないです。ていうか、そんな余裕ないです。物販のときは、ファンの方と接するのでボディシートでババっと汗を拭き取りますね。東京女子の選手はみんな気を使っているので、洋服の柔軟剤やボディシートの香りがします。練習する日は、3時間半ほど体を動かすので、汗まみれです。夏場はとくに大汗かきますから、Tシャツ3枚ぐらい着替えますよ。着替えて、ボディシートで拭いて着替えて、拭いて……。結構気を使ってます。

――そもそも上福さんは匂いフェチだとブログにも書かれていますね。

家にいるときはアロマキャンドルやディフューザー、インセンスを使っています。とくに試合の前日は気分が高ぶったり緊張するので、よく眠れるようにアロマでリラックスしてます。好きな香水はディオールのジャドールです。でも、ふわっと香るぐらい、少しだけつけています。つけすぎてキツイ匂いをさせている人は苦手。女性でも、男性でも。

 

匂いについてのお話が出たところで、後編は女子プロレスの世界とあわせ、上福さんが考える「魅力ある男の香り」や「モテる男の香り」について語っていただきます。

プロフィール:上福ゆき(かみふく・ゆき)
1993年生まれ。14歳から17歳までアメリカで過ごす。帰国後、東洋大学ミスコンで準グランプリに輝く。グラビアアイドルとして活動する中で、2017年8月にグラレスラーとしてデビュー。DVD『#かみーゆ ONE derful!』(グラッソ)や「日本一の美女レスラー、ハダカになる」(FRYDAYデジタル写真集)などグラドルとしても活躍中。

Brog:Kamiyu Moment
Twitter:かみーゆ(上福ゆき)@zacyuk
Instagram:@yuki_kamifuku

textMikiko Arikawa  photoDaisuke Yanagi